
近時の立法動向を見てみますと、「同一労働同一賃金」「非正規雇用の正規雇用化」へと政策の方向性が進んでいるのではないかと考えられます。現時点ではいずれも完全に義務づけられているものではありませんが、義務づけられる範囲は今後徐々に拡大していくものと考えて備えておくことが重要と考えられます。
そこで今回は、その備えとしての人事管理区分の多様化について考えてみます。なお、

を指します。
まず最初に近時の立法動向について概観してみます。
上記のほかにも同様の例は数多く存在し、「同一労働同一賃金」「非正規雇用の正規雇用化」が義務づけられる範囲は今後徐々に拡大していくものと考えて備えておくことが重要と考えられます。
経営者としては「賃金コストが上がる」「雇用調整が難しくなる」といった心配が本音でしょう。しかし、前者については「仕事の価値に見合った賃金」であれば問題ありませんし、後者については「基幹人材と流動人材に区分した人事管理」を行えば解決することではないでしょうか? ただし、この場合重要なのは「先手先手を打って準備し、備える」ということです。人の処遇というものは都合が悪くなってから慌てて対応したのでは必ずマイナスの効果の方が大きくなります。先を見越して用意周到に準備した者が勝つのです。
具体的には、次のように人事管理区分を多様化してより最適な業務運営体制を構築していくことが必要です。

・仕事の違いを決してあいまいにしない。
→トラブル、法的リスクの回避。
・人事考課(評価)基準を通じて明確化する。
→流動人材以外は中長期の雇用を前提とするため人事考課(評価)の制度化は必須。
・仕事の価値の上昇カーブと賃金カーブを一致させる。
→詳細は前月号を参照してください。
・上位区分への転換・昇格ルールを厳格化する。
→例)半年間上位区分の人事考課(評価)基準での仕事にチャレンジしてもらい、合格した場合に正式に転換・昇格とするルールの導入など。
現在は働く側にも自分自身の価値を高めることが求められて当然です。ただし、その主張が正当となるのは「基準が明確かつ合理的な場合」です。
近時の立法動向を見てみますと、
という方向性が見てとれます。このことを前提としつつ、今から最適な業務運営体制を構築していくことが重要です。人の処遇というものは都合が悪くなってから慌てて対応したのでは遅いからです。人事管理区分を多様化するとともに、それぞれの区分の処遇の違いを合理的に説明できる明確な基準が必要です。本稿をご参考にしていただき、みなさんの会社における最適な業務運営体制を一度是非考えてみてください。