
従業員の賃金は基本給、役職手当、家族手当、住宅手当など様々な支給明細から成り立っています。
このうち基本給は労働の対価としての基本部分となるものです。
賃金表とはこの基本給の運用ルールを定めた書式のことを指します。
賃金表は通常次の2つの要素から成り立っています。


基本給を何に基づいて決めるのかについては、年齢、勤続年数、能力、業績、職務や役割の重要度など様々なものがあります。最終的にはそれぞれの会社においてこれらのうち最適と考えられるもの、あるいは複数の組み合わせによって基本給を決定していくこととなります。自社における基本給の運用方針といってもよいでしょう。
この基本給の運用方針を前提として、賃金表は自社における
基本給の運用範囲と
基本給の昇給ルールを定めます。


このように賃金表とは、自社における基本給の運用方針に基づいて、基本給の運用範囲と昇給ルールを定めた書式です。
しかし、現実にこの賃金表に基づいた基本給の決定が行われなければ意味がありません。
賃金表を最終的に決定するにあたってはその現実性、実行可能性をよく見通すことが必要です。
例えば「当社では今後職務の重要度に応じて基本給を決定していく。従って、職務の重要度が上がらなければ今後は基本給も上がらないようにする」という会社があったとします。
もしこの考えをそのまま採り入れて賃金表を設定すれば基本給の運用範囲と昇給ルールは次のようになります。

例えば実務経験のない新卒者を採用して社内で育成しようとした場合、少なくとも2〜3年程度は基本給の昇給は見込めないでしょう。
その後も基本給の昇給は数年ごとに1回程度となりますので、従業員の意欲の維持、定着が期待できるのか、よく考える必要があります。
上記は現実性、実行可能性を欠いた典型例ですが、例えば次のような問題は現実によく目にするケースです。


他にも評価の結果に応じた基本給の変動幅(降給を含む)が大きすぎる、短期的な評価のみが反映され、従業員の意欲にかえって悪影響を与えているなどの問題が現実に生じているケースもあります。
賃金表は現実に機能してこそ意味があります。理論、理屈が通っていることは当たり前です。現実に機能するかどうかをよく見通してから最終決定すべきであると考えます。