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第192回 2026年5月号

〜モデル給与の設計(その2)〜

はじめに

今回はモデル給与の設計について具体的な金額を用いた設例を取り上げます。

以下

・モデル基本給の設計

・管理職の給与水準の妥当性

の順に説明していきます。

モデル基本給の設計

前月号でも述べたとおり、モデル基本給は新卒初任基本給を昇給させていくことによって設計します。

設例として以下の条件を設定します。

・大学新卒初任基本給 … 250,000円

・大学新卒入社の場合の資格・等級 … 1

・資格・等級1のモデル年数 … 3年

・資格・等級2へ昇格したときのモデル給与の目標水準 … 280,000円

・支給対象となる手当はない

「250,000円」から「280,000円」に「3年」かけて基本給を昇給させる必要があります。

1年あたりの平均昇給額は

(280,000円 − 250,000円) ÷ 3年 = 10,000円

です。

これを前月号でも述べたとおり、定期昇給と昇格昇給の2つに分けて昇給させていきます。

分け方ですが、

・定期昇給分を厚くすると多くの社員に昇給の恩恵が行き届きやすくなる

会社の負担は増えやすい

・昇格昇給分を厚くすると実力主義の色彩が強まり、昇格できない社員には昇給の恩恵が行き届きにくくなる

会社の負担は抑えやすい

という現実もふまえる必要があります。

ただし、最終的には

・自社における基本給決定の考え方(何に基づいて基本給の序列を決めるのか)

と

・その補正要素(仕事への習熟度合い、社員の意欲を引き出す、人材の定着、生活に要する費用の上昇など)

の2つを考え合わせて決めることが大切です。

今回の設例では大学新卒入社の社員が位置づけられる資格・等級1から2への昇格の場合ですので、定期昇給分を厚くしたほうが妥当な場合が多いと考えられます。

そこで、例として次のとおりとします。

これをすべての資格・等級について行っていくとモデル基本給の設計は完了します。

・(手当を除いた)目標水準の実現に向けて

・定期昇給と昇格昇給の配分を決め

・昇給額を積み上げていけば

よいのです。

今回の設例では定期昇給分を厚くしていますが、資格・等級が高くなればなるほど昇格昇給分を厚くする、といった対応も検討する必要があります。

管理職の給与水準の妥当性

前月号でも述べたとおり、管理職(労働基準法第41条第2号の管理監督者)は労働基準法の定める労働時間や休日の保護の対象外です。

従って、時間外勤務手当や休日勤務手当は支給されません。

その一方で、管理職の要件の一つとして、「給与面で厚遇されていること」があります。

ここでは具体的な金額を用いた設例を通じて、その検証方法を解説します。

設例として以下の条件を設定します。

・管理職の範囲 … 資格・等級5以上

・非管理職の範囲 … 資格・等級4以下

・モデル基本給の水準

・手当の金額

*資格・等級4の係長には10,000円
*資格・等級5の課長には15,000円

の役職手当が支給される

・管理職登用直前のモデル給与は

基本給(4の��)   390,000円
役職手当 10,000円
計 400,000円 (A)

・管理職登用直後のモデル給与は

基本給(5の� �   420,000円
役職手当 15,000円
計 435,000円 (B)

(B) − (A) = 35,000円(C)

このとき、(A)の人物が全社平均程度の時間数の時間外勤務(※20時間/月とします)を毎月行っていたとすると、

 400,000円 

165時間
 × 20時間 × 1.25 ≒ 60,607円(D)

※この会社のひと月あたり平均の所定勤務時間数を165時間とします。
※この会社の時間外勤務の割増賃金率を25%とします。
※(D)の金額は円未満を切り上げています。

(C) < (D)となり、減収となる。

これでは「給与面で優遇されている」とは言い難いでしょう。

今後取り上げていきますが、資格・等級4の基本給は4の��や4の�い龍盂曚茲蠅盥發ぞ絽造�設定されるのが通常です。

理由はモデル年数どおりに昇格できる人のほうが少なく、モデル年数経過後も一定期間は基本給の昇給を認める必要がある場合が多いためです。

そうすると管理職登用直後のモデル給与435,000円(B)はますます「給与面で厚遇されている」とは言えなくなります。

従って、少なくとも(C)>(D)となるように5の�,隆靄楜覲曚鯀�やすか、課長の役職手当を増やすといった対応が必要となります。

なお、この管理職の給与水準の妥当性検証については2012年4月号でこの点に絞った解説をしていますので是非ご覧になってください。

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