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第113回 2019年10月号

〜考課エラーへの対処方法〜

はじめに

10月となり、多くの会社で人事考課の季節を迎えていることと思います。この時期に増える相談の一つに「管理者の行った人事考課に問題がある」、すなわち考課エラーへの対処方法があります。考課エラーへの対処方法は、エラーが生じている要因によって異なります。考課エラーが生じる要因は次のとおり主に3つに分類することができます。

考課エラーの3大要因

�/融�考課の基準があいまいである。

��考課のルール、考え方を理解していない。

�0嫂淌�にルールに反している。

��人事考課の基準があいまいである について

「仕事の質」「仕事の効率」「積極性」といった抽象的な考課項目を、「非常にすぐれている」「すぐれている」「普通」などのあいまいな判断基準で考課させる例が典型です。
会社が社員に対して何を求めているのかがそもそもあいまいですので、会社が求める人物像とは異なる社員の考課が高く出るなどのエラーが生じやすくなります。
また、考課の判断基準も考課者に大幅な裁量を認めているものですので、考課尺度の統一は不可能といっても過言ではありません。

��考課のルール、考え方を理解していない について

よく整備された人事考課のしくみがあっても、それだけで自動的に会社が意図したような考課を考課者がしてくれることはありません。
考課者(管理者)は自分が担当している日常業務が優先です。人事考課のしくみがまとめられているマニュアルなどがあったとしても、進んでそれを手にとって勉強し、わからないところを人事部門に質問してくる、などということは期待できません。
何もしなければ考課の季節になってからそれぞれの考課者が自己流の解釈で考課を行う、というのがむしろ普通の姿です。

��意図的にルールに反している について

どんなに人事考課のしくみを整備し、理解を深めるための研修を行ったとしても、ルールを守らずに自己流の考課をする、という人がいることも事実です。
日常業務の手順やルールを守らないという人はほとんどいません。しかし、人事考課についてはルールを守らない人がいる、という前提で考える必要があります。
「部下から悪く思われたくない」「自分自身の保身」など理由は様々に存在しますが、人事考課ではルールを守らない人がいる、という事実ははっきりと認識しておく必要があります

要因別の対処方法

��人事考課の基準があいまいである について

いわゆる下請けではない独自ビジネスを展開している会社には必ず独自の経営理念、基本戦略、方針といったものが存在します。
自社の人事考課基準の中にそれらが過不足なく落とし込まれているかどうか確認する必要があります。落とし込まれていない場合には、自社が大切にしているこれらの価値観を人事考課の基準として明確化することが必要です。
このことが会社が求める人物像と考課者が行う考課とを一致させる出発点となります。

より詳しくは2018年7月号、2015年6月号を是非ご覧ください。

��考課のルール、考え方を理解していない について

「人事考課のしくみは整備したが後はそれぞれの考課者任せになっている」「もう何年も考課者に対する研修を実施していない」というような場合が当てはまります。
現在の考課者はその多くが本来会社が意図した考課のルール、考え方を理解していないと見るべきでしょう。
考課者研修を実施することで自社の考課のルール、考え方に関する知識と運用能力を身に付けてもらうことが必要です。

より詳しくは2018年4月号を是非ご覧ください。

��意図的にルールに反している について

人事考課のしくみは整備されており、考課者研修も定期的に行っている。大部分の考課者はルールに従った適正な考課を行っているものと考えられる。
しかし、…

特定の考課者の考課が極端に甘いまたは辛い

特定部門の考課が全体的に甘いまたは辛い

というような場合に当てはまる可能性があります。
人事部門としては該当の考課者に連絡を取り、考課が甘い、辛い理由、根拠をよく確認することがまず必要です。合理的な理由が見当たらない場合には「意図的にルールに反している」可能性が高くなります。
人事部門からの指摘を受けて是正されればそれに越したことはありません。
是正されないようであれば、方法の一つとして

考課者研修の補習の受講を義務づける

というものがあります。
これは考課のルールの理解度に問題ありと会社から認定された考課者のみを対象とした研修で、問題なしと認定されるまで何回でもその受講を義務づける、というものです。頻度は半年や1年1回です。
そもそも考課者から除外してしまうというのも一つの方法ですが、この補習も効果があるのは事実です。毎回受講者が減っていくのを見て、ルールを守る方向に気持ちが転向していくからだと思われます。

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