
前月号では基本給の定期昇給の考え方を取り上げました。
今回はこの定期昇給の上限設定の考え方について取り上げてみたいと思います。
定期昇給とは自社における基本給管理区分(資格、等級など)が上がらなくても1年に1回など定期的に行う基本給の昇給のことです。
従って、無制限に定期昇給を続けることは、資格、等級などの基本給管理区分を設定した意義を喪失させ、年功的な基本給運用に陥ってしまう事態を招くこととなります。
例えば次のとおりです。

従って、このような事態を避けるためには、定期昇給の上限を設定して、「昇格しない限り基本給の金額はここまで」とする必要があります。
次のとおり3つの考え方があります。

基本給管理区分が上位の者の基本給の金額を上回ることはないとする考え方で「開差型」と呼ばれます。

基本給管理区分が下位の者の基本給の上限と、上位の者の基本給の下限とが一致する考え方で「接続型」と呼ばれます。

基本給管理区分が下位の者の基本給と上位の者の基本給が一部重なる考え方で「重複型」と呼ばれます。
本年2月号でも述べたとおり、基本給の決定基準は「仕事の対価」とすることが基本ですので、考え方1の「開差型」が理想ではあります。
しかし、「開差型」を採用した場合、次の2つのうちのどちらかの事態が生じやすいことは否めません。
�� 定期昇給の上限が低くなり、昇格しなければ基本給の定期昇給がすぐに止まってしまう。
�� �,鯣鬚韻茲Δ隼廚┐亟靄楜襪凌綵爐�全般的に高くなる。
考え方3の「重複型」は、上記�,鉢△硫歛蠅魏麋鬚垢襪燭瓩旅佑�方であり、現実的なものであるということができます。ただし、無制限に重複を認めてしまうとそもそも定期昇給の上限を設定する意義がなくなってしまいます。「原則として基本給の重複は1つ上の基本給管理区分との間にだけ認める」というのが限界でしょう。
考え方2の「接続型」は「開差型」と「重複型」の間をとった考え方です。上述した�,鉢△硫歛蠅�問題とならない場合には、「重複型」よりも優先して採用するべきでしょう。
次回は昇格昇給の考え方を取り上げます。
引き続きよろしくお願いいたします。