
考課者研修のプログラムとして当研究所がこれまでお勧めしてきた内容は、自社の実務に準拠したケース・スタディー(事例、題材)を使用する、というものです(詳しくはこちらをご覧ください)。しかし、最近では実際に考課者が考課した考課表の実例を使って、修正が必要な点について解説を行う、という手法も増えてきました。この手法は会社によって「できる」「できない」の違いがはっきり出るものですので、広くお勧めできるものではありませんが、実際の考課内容に基づいた解説、研修ができるという点では有効性は極めて高いといえます(当然個人名等についてはマスキング、隠して行います)。
「通常人は自分のことを実際の能力よりも何割増しで評価している」などということが言われますが、実際を見てみると必ずしもそうではありません。パターン分けすると次の4つに区分することができます。

このうち��については「自己評価が低いにもかかわらず、上司による人事考課が高い」というものです。統計的に� 銑い修譴召譴龍菠�が何割ずつ、というようなことはいえないのですが、��の区分も決して少なくないというのが実感です。��の区分の内容が正しい場合も当然あります。しかし、業績や上司のコメント内容に照らして「甘い評価」である、と判断せざるをえない場合も多々あります。そこで今回はこの��「自己評価が低いにもかかわらず、上司による人事考課が高い」、そしてそれが「甘い評価」と判断される場合の問題について取り上げてみたいと思います。

上記のとおり、人事考課とは考課表を記入し、査定結果を出してそれで終わり、ではありません。C→A→P→Dの毎日の繰り返しであると考えるべきものです。また上記のサイクルは自己評価を通じた“自育”にも当てはまります。次のとおりです。

<はじめに>でも述べましたが、今回取り上げる「甘い評価」とは次のとおりです。

「甘い評価」には次の2つの重大な問題があります。
1.人事考課のサイクルの最初の部分を台無しにしてしまう

2.正面から自分自身の課題や目標に取り組もうとする部下の意欲を逆に失わせてしまう

1、2により、部下を育てない、会社も伸びない
「甘い評価」もそうですが、不適切な評価はすべて上記と同じ問題、結果をもたらします。ではなぜそのような不適切な評価が行われるのか?それは人事考課を「仕事」ではなく、権限と考えているからではないか?と考えます。仕事上のルールが定められている場合、それを破る人はほとんどいません。
