
11月となり、来年以降の人事制度構築、改定案件のご相談が増えてくる時期となりました。
そこで今回は人事制度を設定する意義について改めて取り上げてみたいと思います。自社における人事制度構築、改定の方向性を考えるうえでのご参考になれば幸いです。
人事制度を設定する意義は主に次の3つに集約できるものと考えます。



以下それぞれについて説明します。
いわゆる下請けではない独自ビジネスを行っている会社には必ず自社独自の経営理念、基本戦略、方針といったものが存在します。
このとき、
店舗や営業所などの事業所が広範囲にわたって多数存在している
事業遂行上の必要から従業員数が100名を超えるような状況になってきた
というような場合には、徐々にその浸透が難しくなってきます。
そのような場合にはその浸透を図るためのしくみが必要となります。このとき有効に機能するしくみこそ人事制度であるということができます。人事制度、中でも人事評価の基準を通じた行動規範の明文化は必須であると考えます。
※行動規範=
自社の経営理念、基本戦略、方針を実現するために社員(従業員)としてどのような考え方や行動をとることが正しいのか、を具体的に定めたもの。
後述する評価の結果の待遇への反映と合わせることで、理念、戦略、方針の浸透効果をより高めることが可能となります。
人事制度を導入しただけで社員(従業員)が自動的に行動規範を実践してくれることはまずない、と考える必要があります。基本は自分自身で試行錯誤や工夫を繰り返すことによって行動規範をより高いレベルで実践することができるように突き詰めていく「自育」とするべきです。これができない人はそもそも高い付加価値を生み出すことなどできないからです。しかし、「自育」ができる人材の割合を考えたとき、会社主導の教育というものも必要であることは否めません。その教育のよりどころ(目標水準)となるのは人事制度、中でも人事評価の基準を通じて明文化された自社独自の行動規範である、ということができます。
社員(従業員)の最大の関心事は自分自身の待遇です。待遇について全員の納得を得ることは現実には難しいですが、会社の考え方、立場をきちんと説明できるようにしておくことは今後の労務管理の基本となります。
また、人事評価の基準=行動規範の遂行レベルと待遇決定とを連動させることによって社員(従業員)の動機づけ、会社と社員(従業員)のベクトルの一致を図ることは、目指す会社づくりをするための状況設定=場づくりをすることにもつながっていきます。