
人事考課(評価)の最大の目的は会社が期待する人材づくりにあります。従って、評価の項目をどのように設定するのかは人材育成の土台を決める極めて重要な経営判断であるといえます。会社としてはあれも入れたい、これも入れたいとどうしても欲張ってしまいがちですが、欲張りすぎは逆効果ということもありえます。
そこで今回は、評価の項目をどのように設定すべきなのかについて考えてみたいと思います。
入社して間もない初級者や、定型的な業務に従事する従業員は別として、会社の中核を担ってもらいたい人材には付加価値の高い仕事を求めるのが当然であると考えます。「付加価値の高い仕事とは何か?」ですが、多くのケースで仕事というものは次の3つに分類できるものと考えます。
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上記3つの分類は個人にも会社にも当てはまるものではないかと考えます。「付加価値の高い仕事」とは、上記のうち少なくとも②以上の分類に属するもの、すなわち②および③と考えるべきでしょう。①の分類に属する仕事は今後も継続すべき重要な仕事ではありますが、基本事項、やってあたりまえの仕事でもあります。
このように考えますと、

という結果を招く可能性が高くなります。
また、本来の加点主義人事とは、付加価値の高い仕事にどれだけチャレンジしたかが出発点になるべきものです。基本事項、やってあたりまえの仕事を継続していたから加点する、ということでは社員のチャレンジ意欲を引き出すことはできません。

<はじめに>で述べたとおり、人事考課(評価)の最大の目的は会社が期待する人材づくりにあります。評価の項目、基準を通じて社員に仕事の“型”を示し、“型”の実践過程を通じて会社が期待する人材づくりを行う、という考え方です。しかしこれはマニュアルどおりの仕事を求めるマニュアル主義ではありません。確かに会社が期待することをわかりやすく示そうとすれば「具体化すること」は避けられません。管理者の中には「その方が自分が付けた評価を部下に説明しやすいから」という理由で滑稽とも言えるレベルでの具体化を求める人もいるくらいです。しかし、具体化した事例というものは"ある条件下での具体例"を示したものにすぎません。条件が変われば会社が本来期待していることの趣旨や目的に照らして事例を読み替えていく応用力が求められます。会社の中核を担ってもらいたい人材に本来求められるのは、“型”を示されなくても自分で考え、会社が期待することを具現化、実行できることです。評価項目、基準の中身はこれを可能とするように設定することが必要です。
そのためのポイントは、

評価の項目をどのように設定するのかは人材育成の土台を決める極めて重要な経営判断であるといえます。会社の中核を担ってもらいたい人材については、評価項目の設定にあたって2つのポイントがあるものと考えます。
1つ目は、基本、やってあたりまえの項目はあえて除外することで付加価値の高い仕事にチャレンジしてほしい、という会社のメッセージをはっきりと伝えること、です。2つ目は、すべての評価項目、基準を会社の理念、基本戦略から一貫させることで、マニュアルがなくても会社が本来期待していることは何か?を自分で考え、その内容を具現化、実行していく人材づくりを目指すこと、です。