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第32回  2013年1月号

〜目的意識を持って、効果に執着する〜

はじめに

教育・研修や人事制度をはじめとする各種制度の企画など、人事部門が実施する各種の施策は効果があるものでなければ現場の邪魔になるだけです。決して“自己満足”や“アリバイづくり”のものであってはなりません。

そこで今回は人事部門が実施するこれら各種の施策が効果を上げるための留意点について考えてみたいと思います。なお、人事制度の企画のみに絞ったこれら留意点の考察は前々月号と前月号でも行っていますので、是非そちらもご覧ください。

施策が効果を上げるために必要なこと

施策が効果を上げるためのポイントは次の7つに整理できるのではないかと考えます。

�〔榲�が明確であること。

�¬欧辰燭泙泙寮�度を掘り起こし、まず活用すること。

��社員に「場」を与えてみること。

�せ楮�が課題解決の“処方せん”となっていること。

�ゼ駄嚇�、実践的なものであること。

�ε�事者意識を持つこと。

�О貪抃茲瓩燭海箸老兮海靴討澆襪海函�

�〔榲�が明確であること

目的が明確であることとは、「何をどうしたいのかをはっきりさせる」ということです。何をあたりまえのことを、と思われるかもしれませんが、意外とこの点ができていないケースは多いのです。漠然とした目標イメージはあるものの、それを実現するための勘所が何なのかがわからない、ということなのでしょう。この点についての対応方法は2012年9月号で解説していますので、是非そちらをご覧ください。

�¬欧辰燭泙泙寮�度を掘り起こし、まず活用すること

眠ったままの制度を掘り起こし、まず活用することとは、「忘れているだけで、実は目的を実現するための制度がすでに存在し、それを活用することで目的を実現できる場合がある」ということです。例えば就業規則を例にとって考えてみましょう。通常就業規則は将来を含めて様々な場合に対処できるようにその会社にとって今すぐには関係しないような条項も含めて規定しているものです。従って、「就業規則をもう一度最初からよく読んでみたら、目的、課題に対処できる条項があった」というケースも実はかなりあるのです。このような場合に新しい制度やしくみを作って導入することは時間や労力のムダになるだけでなく、会社のしくみをより複雑でわかりにくいものにしてしまうこととなります。既存の制度で対処可能な場合にはまずそれを活用するべきです。

��社員に「場」を与えてみること

社員に「場」を与えてみることとは、「目的の実現に向けて社員が行動する・できる機会を積極的に提供する」ということです。抽象的に考え方や意識の持ち方ばかり強調しても現実の体験や経験には遠く及びません。例えば、「部下指導・育成能力を身に付けてほしい」と考えていくら考え方や理論、心がまえを教えても、現実の仕事の中でそれらを実践する機会がなければ効果は全く期待できないでしょう。目的の実現に向けて実際に行動するのは社員ですから、社員にそのための「場」「機会」を積極的に与えることが必要です。

�せ楮�が課題解決の“処方せん”となっていること

施策が課題解決の“処方せん”となっていることとは、「その施策を実施することが�,量榲�の実現に結びつくのかどうか」ということです。施策というものは目的を実現するための手段です。従って、“目的が現状のままでは実現できない理由=課題、問題点がどこにあるのか”をつきとめてからでなければ的を射た施策を立てることはできません。この点についても詳細は2012年9月号で解説していますので是非ご覧になってみてください。

�ゼ駄嚇�、実践的なものであること

実務的、実践的なものであることとは、「できる限り自社の実務に準拠した内容にする」ということです。例えば、考課者研修などを例にとってみても、他社の実務に準拠した題材や考課表を用いた研修では、そこで学び取ったことを自社の場合に"変換""応用"しなければなりません。事実上一般教養以上の効果は期待できず、会社が行う社員教育のあり方としては適切なものとは言えません。これに対して自社の実務に準拠した題材や考課表を用いれば学び取ったことをすぐに実践することが可能となるのです。

�ε�事者意識を持つこと

当事者意識を持つこととは、「施策や制度の運用にかかわる人たちが“会社から言われたからやる”のではなく、皆“自分自身の仕事”として取り組む」ということです。例えば、人事制度を改定した場合を想定してみましょう。この場合、全社員を対象とした説明会は改定実務を担当した人事部門が行う、というスタイルが多いものと考えられます。しかし、このスタイルに代えて、“各部門の管理職が自分の部下に対する説明は行う”、というスタイルにしたらどうでしょうか?管理職の制度を理解しようとする姿勢や制度導入後の運用に対する責任感も格段に優れたものになるはずです。人事部門の各管理職に対する支援、サポートの負担がかえって大きくなる、との声も考えられますが、「目的」「効果」の実現度を考えればどちらのスタイルを選択すべきなのか、検討してみる価値は十分あります。

�О貪抃茲瓩燭海箸老兮海靴討澆襪海�

一度決めたことは継続してみることとは、「結果が出るまで一度はやり抜いてみる」ということです。「施策や制度を作ったが、導入できなかった」「部分的にしか実行できていない」というケースもよく目にします。施策や制度の内容そのものに問題がある場合もありますが、十分時間をかけて検討したにもかかわらず、このようなケースに陥っていることも実は多いのです。不利益を被る社員への気兼ねやこれまでのやり方を変えることへのうっとうしさや抵抗感などが根底にはあるのでしょう。しかし、実際に一度はやってみなければ施策や制度の改善点は見えてきませんし、�,量榲�が実現することもありません。“一度決めたことは結果が出るまで一度はやり抜いてみて、問題点があればどんどん直していく”という姿勢が会社を前進させるのです。

まとめ

今回は人事部門が実施する各種の施策が効果を上げるための留意点について解説を行いました。2011年9月号でも述べたとおり、人事部門の性格は従来の定型業務中心のものから、経営企画、戦略サポート的なものへと大きな変化を求められています。

今、人事部門に問われているのは“会社にどれだけの価値を提供できるのか”ということです。

本稿がみなさんの会社における効果ある施策づくりのご参考になれば幸いです。

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