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第121回 2020年6月号

〜新人事制度の導入準備〜

はじめに

人事制度のうち、人事考課(評価)制度については評価の対象期間というものがあります。評価の対象期間はそれぞれの会社の事業年度と一致させていることが多いため、人事制度導入のタイミングは上期初または下期初の年2回ということがほとんどです。

4月1日から翌年3月31日までを事業年度とする会社では下期初にあたる10月1日の新人事制度の導入に向けて準備を進めているところも多いことと思います。

労働組合がある会社では労働組合と交渉を進めていくこととなりますが、労働組合がない会社では新人事制度導入までの間にどのように準備を進めていったらよいのか、よくわからないという会社もあることと思います。

そこで今回は労働組合がない会社において新人事制度の導入に向けてどのように準備を進めていったらよいのかについて解説してみたいと思います。

新人事制度導入までのスケジュール概要

新人事制度導入までのステップは次のとおりです。

�ー勸�説明会用資料の準備。

�⊆勸�説明会の実施。…目安としては新人事制度導入の3ヵ月前。

��就業規則、給与(賃金)規程などの関連規程の労働基準監督署への届出準備、届出。給与明細の変更などの準備事項も忘れずに実施する。

�す猷歇圈壁床措圈砲鯊仂櫃箸靴晋�修の実施。

�タ型融�制度導入。

上記のうち、最大のヤマ場となるのが社員説明会です。

そこで以下ではこの社員説明会について詳しく述べたいと思います。

社員説明会

社員説明会用の資料について

すでに新しい人事制度の構築作業は終わっていますので、新しい人事制度の内容を社員が理解しやすいように編集し直して説明会用の資料とします。

このとき最も注意しなければならないのが

「人事制度改定の目的、必要性がよくわかるようにする」

ということです。

いくら個々の部分の説明が明瞭に記載されていても、「なぜそうなるのか?」 「そうする必要があるのか?」ということがわからなければ社員が腹落ちすることはありません。

「このような会社にするために、このような人事制度にする」ということが一貫性をもって説明できていれば多くの社員の理解が得られることでしょう。会社の経営理念、基本戦略と合致していることも必要です。

社員説明会の運営方法について

「説明」と「意見交換」の場を分ける、という方法が適切ではないかと考えます。

「説明」とは、新人事制度の内容自体を社員がよく理解できるように説明し、不明点に答える場のことを指します。

「意見交換」とは、社員それぞれの「私はこう思う」「こうしたほうがよいのではないか」という意見を聞き、会社の考え方を返していくことを通じて、社員それぞれの納得を得ていく場のことを指します。

少人数の会社であれば「説明」と「意見交換」を一緒に行うことも可能かもしれません。しかし、100人前後の規模になってくると時間の制約から難しくなってくるのではないかと思います。社員の多くが消化不良で腹落ちしていない状況では新人事制度が目指す社員づくり、会社づくりは不可能でしょう。

「説明」と「意見交換」の場を分けて、「意見交換」については十分に期間をとってメールで受け付け、会社の回答内容を全社員に公開する、というのも有効な方法の一つと考えられます。

導入は始まり

新人事制度の導入準備のうち、最大のヤマ場となるのは社員説明会です。

ただし、この社員説明会を乗り切ることが最大の関心事となってしまい、「社員からあまり意見や文句が出ないように説明内容を考えたい」という動機が働いてくるようであればそれは本末転倒です。

人事制度は導入しただけでは自動的に機能することはありません。社員の理解と納得を得ることが必要です。

また、社員説明会などの手続きを経て人事制度を導入できたとしてもそれは始まりにすぎません。社員教育への活用など労を惜しまない運用と陳腐化、風化を防ぐメンテナンスによってはじめてその効果を上げることができるのです。

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