
前月号で述べたとおり、資格制度、等級制度の枠組みを決めるにあたって最も大切なことは、
自社における給与序列の考え方が端的に表現されているかどうか
ということです。
このことを前提とした場合であっても、
| �� | 給与序列の考え方が職種や部門、あるいは従業員の階層によって異なる場合はどのように取り扱えばよいのか? |
また、
| �� | 現実の運用を想定したときに、資格や等級の数はこれでよいのか? |
といった問題が生じる場合もあります。
そこで今回はこの2つの問題について考えてみたいと思います。
例えば
| ・ | 研究開発部門は従業員個々人の技量(研究開発の実績)をもって給与の序列を決定したいとする一方、 |
| ・ | 人事や総務などの管理部門、あるいは製造部門などは役職の高さ=責任、役割の重さに基づいて給与の序列を決定したい |
というような場合です。
このような場合には職種や部門ごとに最もふさわしい給与序列の考え方を採り入れるべきでしょう。
従って、職種や部門によって資格制度、等級制度の枠組みが変わることになります。
職種、部門をまたぐ異動が行いにくくなるといった難点はありますが、異動時の待遇決定ルールを整備しておくことで解決可能です。
最も従業員の力を引き出し、会社の総合力を発揮できる枠組みを採用することを優先するべきです。
また、
| ・ | 販売や製造などの現場で働く従業員については仕事の安定度をもって給与の序列を決定したいが、 |
| ・ | 店長や班長、工場長などの管理者については責任、役割の重さに基づいて給与の序列を決定したい |
という場合についても考え方は上記と同じです。
従業員の階層ごとに最もふさわしい給与序列の考え方を採り入れるべきでしょう。
なお、この場合には現場→管理者となるときに人事考課の結果に加えて別途昇格試験を実施するなどの対処が必要となります。
人事考課の結果だけでは管理者としての適否を判断することが難しいためです。
前月号で取り上げた例の一つに次のものがあります。

役職の高さ=責任、役割の重さに基づいて給与の序列を決める場合の例ですが、この考え方を徹頭徹尾貫くと、ポスト不足により上位の役職へ昇進できない場合には昇格することができませんので、給与の昇給が止まってしまう事態となります。
「それでもよい」というのも一つの考え方ですが、従業員のやる気を維持するために、例えば次のように資格、等級の数を増やすという考え方もあります。

これによって、例えば係長から課長へポスト不足により昇進できない場合であっても、資格、等級を3→4へ昇格させることが可能となり、給与を昇給させることが可能となります。
資格、等級は従業員の給与の運用範囲を定めるものです。
上位の資格、等級へ昇格することができなければいずれ給与の昇給は止まります。
資格、等級の数を最終決定するにあたっては従業員のやる気を維持するといった視点も現実には必要となります。