
前月号では「会社の経営理念をどのように人事制度の中に落とし込んでいくべきなのか」と題して、人事制度構築の総論について説明しました。
今月から4回にわたっては、「このようなケースではどのような人事制度のあり方が適切なのか」についてケース・スタディーを行っていきたいと思います。
みなさんも是非「自分ならこうする」とお考えになりながらご覧になってください。
よろしくお願いいたします。
今回取り上げるのは、次のような会社です。

まず最初に、「人事処遇の基準」のあり方について考えてみたいと思います。
「どのような社員を手厚く処遇するのか」という点から考えますと、「安定感を持って仕事を継続できる人」ということになります。
すると、人事処遇の基準のあり方としては、次の2点をふまえる必要があるのではないでしょうか?



次に、人事考課(評価)基準のあり方について考えてみたいと思います。
まず最初に念頭に置きたいのが、
という点です。
なぜなら、販売員としての仕事は半年〜1年くらいの期間で十分覚えることができるのですから、1等級の人の仕事も10等級の人の仕事もレベルに差はないからです。
これを無理矢理レベルに差をつけようとすれば、「修飾語でごまかす」といった形にならざるをえません。本来1等級も10等級も仕事のレベルに差はないのですから、
べきなのです。
後は、安定感を継続できれば「エレベーター」が上がり、低下すれば「エレベーター」が下がる、とすればよいのです。これで何の不都合も生じません。
次に、人事考課(評価)基準の具体的内容のあり方について考えてみたいと思います。
ポイントは次の2つになるのではないでしょうか?
1.販売員としての仕事を10項目前後に整理する。
2.1.の10項目それぞれについて、「どのような行動をすることが奨励され(高評価)」、「どのような行動をしてはいけないのか(低評価)」を具体的に定義する。
これらの点については各会社の理念が最も強く打ち出されるところです。
今回はケース・スタディーですので、2項目程度、例を取り上げて考えてみたいと思います。

最後に、給与(報酬、賃金)処遇のあり方について考えてみたいと思います。
シンプルに考えれば、「エレベーター」の上・下に合わせて給与(報酬、賃金)も上・下させる、ということになります。
しかし、この点については、「自社において実行可能かどうか」を冷静に考えることが大切です。月例給与を上・下させることはそれだけ社員を不安定な立場に置くことになりますので、いざ実行しようとしたときに「実際にはできない」場合も少なくありません。また、社員の精神面に与えるダメージも考えなければなりません。
そこでここは、自社の風土や処遇方針に合わせて次のようなバリエーションがあってもよいのではないでしょうか?



次回は「〜人事制度の全体像を描く ケース・スタディー2〜」と題しまして、研究開発型の企業を取り上げたいと思います。お楽しみに。