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第138回 2021年11月号

〜理念の体系化と実用性〜

理念の体系化

人事制度は会社の目指す方向性と社員の行動の方向性を一致させるためのしくみです。

この視点に立つとき、人事制度構築の究極の目的は次の点に置くべきであると考えます。

�ー�社の理念、経営方針に基づいて社員が働くうえでの指針を明示し �△修譴鮟�慣化することで �B昭劼�容易に真似られない企業文化を形成し �ざチ萠呂慮酸瑤箸垢襪海�

上記��〜��を実現するための場を提供するのが人事制度であり、人事制度とは理念の体系化であると考えます。

実用性

一方、人事制度には社員の待遇決定の基準という側面もあります。

待遇決定についての判断基準がなければ社員の待遇はすべて個別対応で決定しなければなりません。社員数が30人程度までであれば個別の話し合いなどを通じて待遇を決定することができるかもしれません。しかし、それ以上の数になってくると個々人の待遇差の根拠を合理的に説明することが徐々にむずかしくなってきます。

例えば、定年後の再雇用の条件決定について考えてみましょう。60歳定年となった社員に対して、嘱託などの再雇用後、どのような職務、所定勤務時間、給与を会社として提示するのか、決める必要があります。この点について高年齢者雇用安定法に関する厚生労働省のQ&Aには次のとおりの記載があります。

「Q1-9: 本人と事業主の間で賃金と労働時間の条件が合意できず、継続雇用を拒否した場合も違反になるのですか。
A1-9: 高年齢者雇用安定法が求めているのは、継続雇用制度の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく、事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても、高年齢者雇用安定法違反となるものではありません。」

※なお、65歳〜70歳までの高年齢者就業確保措置に関するQ&Aにも同様の記述があります(「1 高年齢者就業確保措置 �ぁ廖法�

このQ&Aからわかることは、「会社が提示した職務、所定勤務時間、給与が合理的なものであれば、会社と本人との間で合意が成立せず、定年後の再雇用が行われなかったとしても法違反とはならない」ということです。しかし、反対に解釈すれば、「会社が提示した職務、所定勤務時間、給与が合理的なものでなければ法違反となることもある」ということです。

定年を迎える社員が多くても年に2〜3人、それも毎年のことではない、という状況では個別にこれらの条件を提示してもその根拠を合理的に説明することは可能かもしれません。しかし、毎年10人前後の社員が定年を迎える状況になったとき、果たしてそれが可能でしょうか?

上記は一例にすぎませんが、社員(従業員)の待遇を合理的な根拠を持って説明できる機能を人事制度は持っている必要があります。人事制度に求められる実用性とはこのことであると考えます。

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