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第154回 2023年3月号

〜賃金計算期間の変更〜

はじめに

賃金には

・就業規則で定められた始業時刻から終業時刻まで働いた場合に支払われる所定労働時間内賃金と

・それを超えて働いた場合に支払われる所定労働時間外賃金

とがあります。

会社を設立後、少人数で運営されている頃は所定労働時間内賃金、所定労働時間外賃金ともに後払い型にしている場合が多いものと考えられます。

〜例〜

賃金計算期間

所定労働時間内賃金、所定労働時間外賃金ともに前月11日〜当月10日までとする。

賃金支払い日

当月20日とする。

しかしながら、人員が増加してくると所定労働時間内賃金の欠勤控除の計算や、所定労働時間外賃金の計算に要する時間が増し、徐々に余裕がなくなってきます。

また、新卒採用を開始すると、入社月の賃金は上記の例では既存社員の3分の1程度となってしまい、入社をためらわれてしまうといった問題も生じてきます。

人員増、新卒採用の開始に伴って賃金計算期間の変更を考える会社が増えてくる理由はそのためです。

そこで今回はこの賃金計算期間の変更について取り上げてみたいと思います。

賃金計算期間の変更例

賃金計算期間を変更する理由が

・賃金計算に余裕を持たせたい

・新卒入社月の賃金額を増やしたい

ということであれば、変更の方向性は

・所定労働時間外賃金については引き続き後払い型としつつ、

・所定労働時間内賃金については先払い型に変更する

ということになります。

次のとおりです。

〜例〜

賃金計算期間

所定労働時間内賃金、所定労働時間外賃金ともに当月1日〜当月末日までとする。

賃金支払い日

*所定労働時間内賃金については当月20日とする。

*所定労働時間外賃金については翌月20日とする。

これによって、

・所定労働時間外賃金の計算は従来10日弱で行う必要があったものが20日程度と約倍の時間を確保することができるようになるとともに、

・新卒入社月の所定労働時間内賃金は満額支給することができる

ようになります。

実際の変更方法と留意点

4月1日付で上記の変更を行う場合を例に説明します。

上記賃金計算期間の変更月の支払資金を確保することに加えて、留意点としては次の3つがあります。

��上記の例では4/1〜4/30分の所定労働時間内賃金の欠勤控除などは翌月5/20支払い分の所定労働時間内賃金との間で相殺、精算することにより行います。
―特に4/20直前〜4/30までの間の欠勤控除などについて。

��賃金計算期間の変更を行う理由、必要性について社員に対する事前説明を十分に行うことが必要です。

��就業規則や賃金規程などの変更手続きを労働基準法所定のルールに従って行うことが必要です。

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