事例解説

ホーム > 事例解説 > 第140回 2022年1月号

第140回 2022年1月号

〜メンテナンス〜

はじめに

人事制度やその内容を取り込んだ就業規則は一度整備したら5年、10年もつというものではありません。随時メンテナンスを行い、現実に機能するように、また陳腐化しないようにする必要があります。

そこで今回はこのメンテナンスについて取り上げてみたいと思います。

2021年、2022年の改正法施行

2021年中に施行された改正法のうち、人事制度および就業規則の内容に影響を与える主なものは次のとおりです。

�� 子供、家族1人あたり年間5日の看護休暇、介護休暇について、時間単位での取得ができるようになったこと。
�� 65歳から70歳までの就業機会を確保するための措置を講ずる努力義務が創設されたこと。
�� 中小企業に対しても、パート、契約社員などと正社員との間の待遇差の内容とその理由についての説明義務が課されたこと(いわゆる同一労働同一賃金)。

また、2022年中には次の改正法が施行されます。

�� 中小企業に対しても、パワーハラスメントを防止するための措置を講ずる義務が課される(4月1日)。
�� 育児・介護休業法が改正され、
・本人または配偶者が妊娠、出産した旨の申し出があった場合に、休業を取得するかどうかの意向を確認するための措置を講ずる義務が課される(4月1日)
・育児休業を2回まで分割して取得できるようになる(10月1日)
など。

このように、就業規則については1、2年経過しただけでもメンテナンスを怠ればすぐに古くなってしまいます。

人事制度のメンテナンス

また、上記のうち �� と �� については人事制度を大きく変更する必要が生じる場合がほとんどと考えられます。

�� については、そもそも55歳〜60歳を迎えた従業員に対して、どのような職務を担ってもらうのか、というところから考える必要があります。

最低65歳まで、場合によっては70歳までの雇用を考えたとき、職務と待遇のバランスを考えることは絶対必要になります。また、それまでに培った経験や能力をどのように活かしてもらうのか、という視点も欠かすことはできません。

�� については、正社員のみを対象とした人事制度から、パートや契約社員なども対象とした人事制度への転換が必須となります。

さらに人事制度のメンテナンスは法改正に伴って必要となるだけではありません。

会社の組織や職制は、規模や事業内容の変化に対応して変わっていきます。人事制度もそれに対応して、社員が自分に期待されていることは何なのか、を具体的に理解できるように変えていく必要があります。そうでなければ多大な時間と労力をかけて人事評価などを行っても、目指す会社の実現にはつながらないからです。

また、賃上げ、ベース・アップについても人事制度のメンテナンスの一つに数えることができます。良い人材を採用し、定着させるために、支払い能力とのバランスを図りながら賃金水準を随時適正化していくことは欠かすことができない取り組みだからです。

まとめ

適法、適正な労務管理を行うためには、法改正の動向に合わせて就業規則をメンテナンスしていく必要があります。

また、就業規則の前提となる人事制度の内容も、会社の規模、事業内容、組織、職制などの変化に対応させてメンテナンスしていくことが必要です。多大な時間と労力をかけて人事評価制度などの運用を行うのは目指す会社を実現するためです。目指す会社の実現につながらない人事制度では多大な時間と労力をかけて運用する意味がないからです。

テーマ別索引
ページの先頭に戻る

企業文化研究所 〒162-0822 東京都新宿区下宮比町2-28 飯田橋ハイタウン206号室 TEL.03-6265-0805